
打ち込みのピアノをリアルにする方法【音楽制作TIPS by PIANO FLAVA ④】
トラックメイカーのPIANO FLAVA(@piano_flava)です。日々の制作で「これは役立つぞ!」と感じたTIPSを紹介するこのコーナー(過去の制作TIPSはこちら)。
第4回目は、打ち込みのピアノ音をリアルにする方法を紹介します。5つの段階を経て、以下のBefore→Afterへと調整していきます。まずはその違いを聴いてみて、頭に入れた上で読み進めていただければと思います。
ベロシティのランダマイズ
ベタ打ちの状態だと、すべてのMIDIノートが同じ音量なため不自然に聞こえます。

まず、ベロシティ【註1】をランダマイズ(ヒューマナイズ)【註2】してみましょう。
私が使っているCubaseでは、ランダマイズしたいMIDIノートを選択し、「ロジカルエディター」【註3】を使うと便利です。
プリセット「Random Velocity between 60 and 100」を選択した後、ベロシティが70から90までの間になるように、パラメータ1を70に、パラメータ90に変更しましょう。

そして、「適用」を押すと、ベロシティがランダマイズされます。

いい感じになりましたが、まだ少し不自然なので、手動でベロシティを調整しましょう。

タイミングのランダマイズ
続いて、ノートのタイミングもランダマイズさせましょう。同じく「ロジカルエディター」を起動して、以下のように設定、適応します。

今回は0から10の間のランダムな値を加えましたが、0から20でも、-10から10でもOKです。
サステインペダルの打ち込み
実際のピアノ演奏ではペダルワークも重要です。
DAWでサステインペダル(ダンパーペダル)を打ち込みましょう。ADSR(アタック、ディケイ、サステイン、リリース)のサステインを調整するのではなく、「アコースティックピアノのペダルを足で踏む動作」をMIDIで打ち込むイメージですね。

Mix
EQやリバーブを使うのも、ピアノ打ち込みをリアルに聞かせるには有効ですよ。音がこもっている印象なので、EQで中域~高域を持ち上げてみます。

続いて、新たにリバーブをかける用のトラックを立ち上げ、元のトラックからセンド【註5】で送ってみます。

また、ピアノにコンプレッサーも使ってみましょう。

いい感じになってきましたね。
エンハンサー
最後、全体にエンハンサー(エキサイター)【註6】を使って完成です!

以上になります。少しでも参考になれば幸いです!
文・音源: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)