2021.12.21

国内NFTマーケットプレイス「Adam byGMO」にて、小室哲哉が書き下ろし楽曲のステムデータを販売開始

今年初頭より盛り上がりを見せたNFTは、音楽業界でもプロデューサーでDJの3LAUがデジタルアルバム販売で巨額の利益を生み出したことが大きな話題になり、それ以降もCalvin Harris、Disclosureなど有名アーティストたちのNFTでの音源販売が続くなど、にわかにブームとなりました。また、それ以外にも最近ではライブのチケットの半券に使われるケースも見られるなど、現在はブームから定着へと徐々にフェーズが移行しつつある印象があります。

ここ日本でもいくつかのNFTマーケットプレイスが立ち上げられましたが、そのひとつ「Adam byGMO」では、日本を代表する音楽クリエイターの1人である小室哲哉氏の書き下ろし楽曲のNFT「Internet for Everyone (Mix & Stems)」の販売を開始しました。

「Internet for Everyone (Mix & Stems)」は、元々は2015年に小室氏がGMOインターネットグループのグループソングとして書き下ろした作品「Internet for Everyone」をもとにしたもの。

今回「Adam byGMO」では、この楽曲を小室氏の演奏によるピアノ、ドラム、ベースとギター、弦楽器とハープ、金管楽器・木管楽器、パーカッションの6トラックに分解したオリジナルステムデータとして、1トラック3万円からオークション形式にて販売。NFT保有者限定コンテンツとして、テンポ情報MIDIデータ、保有しているStemデータのダウンロード権が提供されます(販売開始以降、12月30日まで各週2つずつ販売される予定)。

さらに2022年1月31日23時59分時点で同NFTの保有者及び購入履歴のあるユーザー先着10名には、小室氏が各Stemを重ねて、新たに弾くシンセサイザー音源も提供される予定とのことです。

現在、NFTはブームの影響もあり、高額な落札金額が話題になりがちですが、2次流通以降の取引においてもその収益の一部がクリエイターに還元されることや、従来であればコピー可能なデジタルデータに代替不可能な固有の価値を持たせることができるなど、作り手にとってもメリットが多く存在します。

とはいえ、自分のNFTにどのような価値を持たせていくのかについては、正解のない状態。今回の施策は、もちろん小室氏の圧倒的なネームバリュー、ブランドがあってのものではありますが、「貴重な音源のステムデータをNFT化し提供する」という発想は、アーティストにとって、NFT活用のひとつのヒントになるのではないでしょうか。

Tetsuya Komuroストア
https://adam.jp/stores/tetsuyakomuro

文:Soundmain編集部