
さらなるクリエイター目線でのサービス導入も? SoundCloudの今後の展望をCOOが語る
SoundCloudのCOO(最高執行責任者)兼CFO(最高財務責任者)であるDrew Wilson氏が、同社の今後の展望について、ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに答えました。2023年までに純利益を出す見込みであることや、将来的に音楽クリエイターが楽曲の一部を無料で配信できるようにする計画などが述べられています。
現在、SoundCloudでは、楽曲のアップロードは3時間まで無料、他のストリーミングサービスへの配信や収益化、3時間を超えるアップロードは有料(月額12ドル)となっています。この料金プランを、2022年の上半期中に変更し、音楽クリエイターが音楽の一部を無料で配信できるようにする計画が進んでいるとのこと。
また、一部のクリエイターを対象に招待制で、最高級のマーケティングサービスを提供する可能性についても述べられています。SoundCloudは近年、クリエイターに対してより多くのツールやサービスを提供するための措置を取っており、その一環として2019年に、アーティストや音楽レーベルが楽曲を配信するのを支援する企業「Repost Network」の買収も行っています。
2019年のSoundCloudの売上高は1億4760万ユーロで、前年比37%増でした。2019年の調整後営業損失は2060万ユーロで、前年は2510万ユーロです。Wilson氏によると、SoundCloudは「損益分岐点の入り口に立っている」状態で、2023年までに純利益を生み出す見込みだといいます。
メディア調査会社・MIDiA Researchのアナリスト、Mark Mulligan氏は次のように語ります。
「SoundCloudが他のストリーミングサービスと異なるのは、独立系クリエイターとの関係です。音楽を制作しながらも大規模なストリーミングプラットフォームに載せていない数百万人のアーティストに、同社はアクセスすることができます」
SoundCloudは、Billie EilishやPost Maloneなどがキャリアをスタートさせたことでも知られており、これらのアーティストに続く新しいアーティストの出現が期待されます。
文: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)
【参考サイト】
SoundCloud “at the doorsteps of break-even”, expects net profit in 2023 – Music Ally
https://musically.com/2021/12/09/soundcloud-at-doorsteps-of-break-even/