
YouTubeが著作権の透明性に関するレポートを初公開
YouTubeが、初となる著作権の透明性に関するレポートを公開しました。これは、YouTubeの著作権施策の結果をまとめたもので、同サイトが提供しているクリエイターが著作権を管理して報酬を得るためのサポートについても記述されています。
YouTubeが提供する著作権管理のための主なツール
レポートによると、YouTubeが提供する著作権管理のための主なツールとしては、ウェブフォーム、コピーライトマッチツール、コンテンツIDの3つがあり、同サイトはこれらのツールの開発と運用に数億ドルを投資しているとしています。
著作権侵害に関する削除依頼ウェブフォーム
著作権をほとんど持たず、たまに自分のコンテンツがYouTubeにアップされるような、使用頻度の低いクリエイターのために設計されたもの。80の言語に対応しており、プラットフォーム上のすべてのユーザーが利用できる。
コピーライトマッチツール
著作権を有するコンテンツの転載が多く、頻繁に著作権削除申請を行う必要がある人向けのツール。コンテンツIDの照合技術を利用している。
コンテンツID
映画スタジオや音楽レーベル、コレクティブなど、最も複雑な権利管理を必要とする企業向けのツール。コンテンツIDの資格基準を満たしていない小規模な独立系クリエイターは、サービスプロバイダーを通じて、これらの機能にアクセスすることができる。
ツールを通じた申し立ての数は?
なお、このレポートによると、申し立てと削除依頼の大部分は、コピーライトマッチツールとコンテンツIDを介した自動検出テクノロジーによるものです。
例えば、2021年上半期には、コンテンツIDを通じて7億2200万件以上の申し立てが行われました。これは、YouTubeのすべての著作権アクションの99%以上に相当します。コピーライトマッチツールによる削除依頼の数も160万件以上に達しています。
また、自動検出を使用するコンテンツIDツールから送信された削除依頼に対して、異議申し立ての数が低いことがわかります。2021年上半期では、コンテンツIDに関する申し立てに対する異議申し立ては 1%未満でした。
この著作権透明性レポートは、今後半年ごとに更新される予定とのこと。クリエイターにとっても他人事ではないYouTube上の音声・動画の著作権。YouTubeとの自分なりの付き合い方を見定めるためにも、一度目を通しておくべきかもしれません。
YouTube著作権透明性レポート(英語)は以下のリンクからダウンロードできます。https://transparencyreport.google.com/report-downloads
文: 三嶋 直道(PIANO FLAVA)
【参考サイト】
YouTube Japan Blog: YouTube、初の「著作権透明性レポート」を公開
https://youtube-jp.googleblog.com/2021/12/copyrighttransparencyreport.html
YouTube publishes first Copyright Transparency Report – Music Ally
https://musically.com/2021/12/07/youtube-copyright-transparency-report/