
Z世代の昔の音楽の見つけ方が明らかに。ドルビーの音楽市場に関するレポートより
映画の音響再生技術で有名なドルビーラボラトリーズ社が、音楽市場に関するレポートを発表しました。この調査は、1日に1時間以上、定期的に音楽を聴いている米国の一般成人2,000人を対象に行われたもので、Z世代の多くが、過去数十年の代表的な曲やアーティストを最近初めて知ったことなどがわかりました。
2000年代の音楽が人気?
10人に6人は、自分の音楽の好みから「間違った時代に生まれた」と感じており、これはZ世代で最も高くなっています(約80%)。ほとんどの回答者にとって、自分の音楽の趣味に最も近い時代は2000年代でした。
Z世代の7割近くが、10年以上前にリリースされた楽曲を最近初めて知ったと回答しています。 また、Z世代の3分の2以上は、過去2年以内に象徴的な曲やアルバムを再発見しています。
新しい音楽を発見する方法に最も大きな影響を与えているのはソーシャルメディアであり、映画やテレビ番組も同様に重要な役割を果たしているようです。
テレビや映画の影響も健在
57%の人が、音楽を発見する方法としてソーシャルメディアを利用していると回答しました。最も人気のあるプラットフォームはYouTubeですが、Facebook、Instagram、TikTokも新しい曲を見つけるのに貢献しています。
10年以上前にリリースされた曲を最近知った人の約4分の1は、ソーシャルメディア上のバイラル動画がきっかけとして知っていました。一方で、10人に6人は、テレビ番組や映画を見て新しいアーティストや曲を発見したことがあると答えています。
米国では、音楽にかける時間とお金が増えています。3分の2以上の人が、2020年初頭と比べ、1日に音楽を聴く時間が増えたと回答しており、半数以上の人が1日4時間以上音楽を聴いています。
また55%の人が、ストリーミングサービスの契約など、毎月の音楽購入に費やす金額が2020年初頭よりも多いと回答しました。
音質も重要な要素に
音楽ストリーミングサービスを利用している人のうち、約90%の人が、音質の良さは自分の契約に必須であると考えており、そのうち半数以上の人が強く同意しています。
このグループのうち82%は、音質が向上したことを理由にサービスをアップグレードしたり、契約を変更したり、明確に料金を支払ったことがあります。
音楽ストリーミングサービスに加入している人の3分の2近くが、広告なしで聴ける、限定コンテンツがある、アカウントに複数のユーザーを追加できるなどの機能よりも、音質の良さが重要だと回答しています。
意外に感じられるのは、スマホネイティブ・ストリーミングネイティブと言われるZ世代に、より良いオーディオ品質を求める傾向が強いというデータです。Z世代の86%が、音楽をより良い音質で楽しむために、今後6ヵ月以内に新しいオーディオ機器を購入する可能性があると答えています。
まとめ
ドルビーラボラトリーズのエンターテインメント担当部長、John Couling氏は次のように述べています。
「音楽は、私たちの生活を喜びの瞬間で満たし、過去2年間に直面した困難から逃れる手段となってきました。このことが、数十年前の音楽のリバイバルや、お気に入りのアーティストや曲とより深くつながることができるより質の高い体験など、消費者の行動の変化を促しています」
「将来的には、これらが音楽の楽しみ方に永続的な影響を与えると考えています」
この米国の一般成人2,000人を対象としたこの無作為ダブルオプトイン調査は、ドルビーの委託により、市場調査会社のOnePoll社が2021年11月10日から11月12日にかけて実施したものです。
文:三嶋 直道(PIANO FLAVA)
【参考サイト】
New Survey from Dolby Reveals Shifts in Music Listening Behavior Among Adults in the U.S. | Dolby Newsroom
https://news.dolby.com/en-WW/206271-new-survey-from-dolby-reveals-shifts-in-music-listening-behavior-among-adults-in-the-u-s